生きるとは何か

何を恐れていますか

生きるとは何か - No.20-6 2020年5月29日発行

  恐ろしいのは死の予感 目に見えない極微のウイルスによって、いとも簡単に人間の経済や政治、さらには日常の生活まで大混乱に陥っています。堅牢で立派に見える高層ビル群や網の目のような飛行航路、更には地上の高速鉄道や軽快な高速道路網を備えた近代的な国家があっけなく麻痺状態になってしまいました。これら眼に見える構造物や交通網 […]

役に立つ生き方

生きるとは何か - No.20-5 2020年5月1日発行

私達は、目の前の出来ごとに気を取られ、人生はまだまだ先があると思って生活しています。立ち止まって今の自分を振り返ることはほとんどないと思います。しかし、定年間際の社会人ならば明日の仕事の心配や将来の年金生活への不安と期待に意識は向かいます。人生のどの時期を生きているかで人それぞれ思いは異なります。私のような後期高齢者に […]

見えない敵との戦い

生きるとは何か - No.20-4 2020年4月1日発行

昨年12月末から新型コロナウイルスの感染症が中国で蔓延し始めたとのニュースを他人ごととして聞いていました。2月に入ると中国は爆発的感染拡大で地方都市の閉鎖、3月にはヨーロッパに飛び火し、イタリアでは局地的に急激な感染拡大(オーバーシュート)が発生し、医療崩壊したとも言われています。世界中に蔓延しWHOはパンデミック宣言 […]

日本を救ったブッダの言葉

生きるとは何か - No.20-3 2020年2月29日発行

1945年8月15日に日本は無条件降伏をしました。 毎年、この日はTVや新聞で終戦記念日として報道され、長い悲惨な戦争が終わったと安堵した日であると記憶しています。しかし、国際的には終戦処理として敗戦国にたいする賠償や責任の追及が始まった日でもあります。その大きな節目が1951年9月6日に開催されたサンフランシスコ講和 […]

真理はまわり道しないと分からない

生きるとは何か - No.20-2 2020年2月10日発行

般若心経のこと やるべき仕事や究めるべき研究をしている時は、それに没頭し充実感を感じています。しかし、第一線を離れ、シニア世代になると自由な時間が増えるに従い、不満足な、物足りない心になります。そのような時に、人生をふり返り仏教でも勉強してみようかと思い、名前が知られている般若心経の注釈や解説した本を買い求めますが、途 […]

権力者の落ちる罠ー人格失格

生きるとは何か - No.20-1 2020年1月1日発行

2019年の年末になって秋元国会議員が逮捕された。彼はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業法案を成立の中心人物でした。容疑は日本参入を目指していた中国企業からの収賄容疑であった。3年前にIR整備推進法が成立するとすぐに中国企業が日本法人を設立して、接触を図り、積極的なアプローチをしていたようです。 権力を持った途 […]

良寛の里を訪ねて

生きるとは何か - No.90 2019年12月2日発行

1 観光資源になる良寛さん 良寛と言えば、寺も持たず托鉢だけの生活をし、納屋のような粗末な小さな草庵に住み続けた僧侶というイメージがあります。4月下旬、桜の花が散り始めた新潟県燕市の弥彦山と峰続きの国上山(くがみやま)の中腹にある五合庵を訪ねました。良寛が40歳の頃からおよそ20年間過ごしたとされている草庵で、傾斜地の […]

歴史に学ぶ自然災害への対応

生きるとは何か - No.96 2019年11月8日発行

今年に入ってからは6月に集中豪雨による土砂崩れや河川の決壊、真夏の猛暑、10月には台風被害が激甚化しています。千葉県では15号台風の強風により建築物への甚大な被害、加えて電柱や樹木の倒壊で長期間の停電を余儀なくされました。被害の片付けも終わらないうちに、19号の豪雨災害では東日本や東北地方の広範囲な地域で、多くの河川が […]

刻々と過行く「いのち」のながれ

生きるとは何か - No.95 2019年10月12日発行

目の前にあるあらゆる事象は、私たち自身を含めて刻々と過行く「いのち」の流れなのです。漠然として見ていても、光によって運ばれた目の前の事象は脳のなかで再編成されているので、気づくことはできません。ここで出番になるのが仏教です。特にテーラワーダ仏教では身体と心の動きをありのままに観察するヴィパッサナ瞑想という実践法がありま […]

庶民のなかの仏教

生きるとは何か - No.88 2019年9月1日発行

1.庶民に愛される円空 江戸時代に庶民の中に仏の教えを広めるために、一人の僧侶が、素朴な木彫の仏像や神像を各地の寺や神社に奉納し、さらには村人の求めに応じて小さな仏像を与え、それが村のお堂に祀られています。 遊行の僧円空(1632~95)は1666年以降、30年各地を巡って修業を続け、造仏に励み、生涯で12万体の仏像を […]